オモナガウロコアリ


フタフシアリ亜科

ウロコアリ属

日本には29種知られていますが、岐阜県では14種確認されています。


オモナガウロコアリ(Strumigenys kinomurai Terayama)が2020年12月に新種記載されました。このアリは岐阜市の照葉樹林内で採集され、マナヅルウロコアリによく似ていますが、頭部の立毛などで識別されます。以前、当ホームページで岐阜市産マナヅルウロコアリとして紹介したアリは全てこのオモナガウロコアリに該当します。


今回は、オモナガウロコアリの形態や生息地の情報などを紹介します。


写真①:オモナガウロコアリの働きアリ。岐阜市 8.XI.2013

写真②:近似種マナヅルウロコアリの働きアリ。神奈川県真鶴町 5.VIII.2007 採集

写真③:オモナガウロコアリには矢印部分(頭盾と触角柄節)に短立毛が多数生えるが、マナヅルウロコアリにはそれが無い事により識別できる。岐阜市 8.XI.2013

写真④:頭・胸部には多くの体毛が生えているが、後胸部側面には体毛がなくつやがある。岐阜市 8.XI.2013

写真⑤:オモナガウロコアリの脱翅女王アリ。働きアリと同様に頭盾と触角柄節に短立毛をもつ。岐阜市 8.XI.2013

写真⑥:脱翅女王アリを斜め前から。岐阜市 8.XI.2013

写真⑦:働きアリを斜め前より。岐阜市 8.XI.2013

写真⑧:脱翅女王アリ(中央)と働きアリ。岐阜市 8.XI.2013

写真⑨:女王アリを運ぶ働きアリ。岐阜市 8.XI.2013

写真⑩:エサのトビムシを運ぶ働きアリ。岐阜市 8.XI.2013

写真⑪:生息地外観。林縁部から10mほど内部に入った土中に営巣していた。岐阜市

写真⑫:生息地(林内の様子)。岐阜市

写真⑬:採集道具。ウロコアリ類など小型種の調査をする場合、ふるい採集をする。まず、林内のリターと土を白いバット上でふるう(私は小型種には2mm目のふるいを使用)。擬死をするアリもいるため数分待つ。次にふるった土に横から懐中電灯の光をあて、ゆっくり動くアリらしき昆虫を目視で探す。アリと思われる微小昆虫を発見したら、ルーペでアリであることを確認し吸虫管で回収する。その後、実体顕微鏡下で種名を調べる。夏場の蚊が多い時期には、採集した場所を記録したリターと土を自宅に持ち帰り、同様の作業をする。

岐阜のアリ

このサイトでは岐阜県内に生息するアリ類やアリの巣内で暮らす生きものを紹介します