アルゼンチンアリ

カタアリ亜科

アルゼンチンアリ属

日本にはアルゼンチンアリ1種のみが知られています。  


アルゼンチンアリ( Linepithema humile ):人家に頻繁に侵入して家屋衛生害虫になったり、侵入先の生態系を大きく攪乱します。国の特定外来生物に指定されており、日本及び世界の侵略的外来種ワースト100にも指定されています。日本では1993年に広島県廿日市市で最初に生息確認されて以降、物流や交通機関などにより人為的に分布を広げ続けています。岐阜県では2007年に各務原市鵜沼、2012年に加茂郡坂祝町で生息が確認されました。体長:2.5~3mm。


写真①:働きアリ。同じ特定外来生物のヒアリとは異なり腹部には針をもたないため刺されることはない。各務原市 23.XI.2011

写真②:顕著なアリ道を形成し、頻繁に移動しながら巣を拡大し、多巣性を形成する。その際、家屋内にも浸入し被害を与える。各務原市 5.IV.2014

写真③:アルゼンチンアリはアブラムシ類の甘露を好むが、雑食性でアリなどの昆虫類を捕食する。各務原市 11.VIII.2017

写真④:アルゼンチンアリが密集する場所では、他のアリを駆逐するために一部のアリ以外は見かけなくなる。各務原市 11.VIII.2017

写真⑤:巣内の様子。中央に女王アリが2頭見られる。各務原市 16.VI.2016

写真⑥:巣内の女王アリとオスアリ(左)。各務原市 16.VI.2016

このアリでは巣外への結婚飛行は知られておらず、新しく誕生した女王は巣内で交尾後どんどん居残っていくため著しい多雌状態になる。ただし、それらの女王はワーカーと共に周囲の巣に歩いて移動分散していく。そのため、アルゼンチンアリは巨大なコロニー(スーパーコロニー)を形成することになる。実際ヨーロッパでは6000kmの長さをもつスーパーコロニーが知られている。

写真⑦:巣内の様子。オスアリの蛹(矢印)が見られる。各務原市 18.V.2016

写真⑧:巣内の様子。中央に女王アリ。各務原市 18.V.2016

写真⑨:巣内で誕生したオスアリ。他のアリのオスと同様に発達した複眼・単眼や胸部を持つが、巣外に飛出することなく巣内交尾する。各務原市 2.VI.2016

写真⑩:オスアリの群れ。各務原市 16.VI.2016

写真⑪:オスアリ。各務原市 16.VI.2016

岐阜のアリ

このサイトでは岐阜県内に生息するアリ類やアリの巣内で暮らす生きものを紹介します