サムライアリ

ヤマアリ亜科  

サムライアリ属:日本にはサムライアリ1種が生息します。  


サムライアリ( Polyergus samurai ):北海道、本州、四国、九州に分布します。岐阜県内では中・南部で確認されています。夏の午後、クロヤマアリやハヤシクロヤマアリの巣を襲い、主に蛹を略奪して自分の巣に持ち帰ります。(奴隷狩り)それらの蛹から成長した成虫はサムライアリの巣で一生奴隷として働きます。体長:7mm。


写真①:サムライアリの働きアリ(上)と奴隷化されたハヤシクロヤマアリの働きアリ。福井県福井市 VIII.20.2016

写真②:サムライアリの働きアリ。大顎は鎌状で先端が鋭く尖る。強そうに見えるが、自分でエサを食べることができないため、奴隷のクロヤマアリ類から口移しでエサをもらい生きている。岐阜市 VII.25.2014

写真③:奴隷として働くハヤシクロヤマアリ。福井県福井市 VIII.20.2016

写真④:左がサムライアリで右の2頭がハヤシクロヤマアリ。ハヤシクロヤマアリの大顎は亜三角形。岐阜市 VII.25.2014

写真⑤:サムライアリ(右)はハヤシクロヤマアリ(左)に比べやや面長で触角が太く、短い。福井県福井市 VIII.20.2016

写真⑥:繭(蛹)をはさんでサムライアリ(右)とハヤシクロヤマアリ。岐阜市 VII.25.2014

写真⑦:サムライアリを横から見ると、剛毛がまばらに生え、腹柄節はクロヤマアリ類より大きい。岐阜市 VII.25.2014

写真⑧:巣内のサムライアリの女王アリ。大顎は働きアリと同様で鎌状。結婚飛行を終えたサムライアリの女王アリは寄主となるクロヤマアリ類の巣に侵入し、その巣の女王を殺して巣を乗っ取る。岐阜市 IV.23.2014

写真⑨:寄主のハヤシクロヤマアリの上に覆いかぶさり、におい付けを行うサムライアリの女王。乗っ取りに成功した女王アリは産卵を始め巣内にはサムライアリが徐々に増えていく。反対にハヤシクロヤマアリの成虫は寿命により減少していくため、奴隷狩りによって補充される。岐阜市 IV.23.2014

写真⑩:初夏に出現するオスアリ。触角と脚や翅が白く弱々しいが、とても美しいオスアリである。岐阜市 VI.18.2015

写真⑪:オスアリの大顎も鎌状だが働きアリに比べ小さくて貧弱である。7月から8月上旬にかけて結婚飛行が行われる。岐阜市 VI.18.2015

岐阜のアリ

このサイトでは岐阜県内に生息するアリ類やアリの巣内で暮らす生きものを紹介します